
鎌倉の良さを引き出す様々な取り組みを行っている
NPO法人『ルートカルチャー』がまったく新しい演劇を北鎌倉の禅寺・浄智寺で制作・発表した。
作品名は『花音:Canon』。
多数のテレビドラマや映画で活躍する女優の鶴田真由さんと、
ルートカルチャーのメンバーである俳優の井上幸太郎さんの2人芝居だ。
この舞台の稽古後、お二人にお話を伺った。

畳の上で上演され、客席のすぐそばで物語が繰り広げられる珍しいスタイルの演劇。
2人は「お客さんも演出の一部。2人の世界を遮る何かに見えたら面白い」と口をそろえる。
また、この作品にははっきりとしたストーリーがない。
鶴田さんは
「北鎌倉駅から浄智寺へ向かう道が作品の序章。言葉では伝えられないものが描かれているが、心で感じてもらいたい。自分の気持ちや感覚がどう動くかに注目すると楽しいと思う」と話す。
井上さんは「抽象的な作品だが、見る人によって具体的なものが見えてくればいい。場の空気を変えるのに特殊な効果は使っていないので、役者の息遣いだけで見せたい」と語った。
お互いについて、鶴田さんは
「仕事で出会ったのではなく元から友達だったので、最初は恥ずかしかったが、今は壁がないので逆にやりやすい」と笑顔。
井上さんは
「劇中では鶴田さんの色々な面が見える。友達なのでお互い安心して警戒なく演じられる」と話した。

共に鎌倉市出身のお二人。
鶴田さんは鎌倉について「一口に鎌倉といっても、山側と海側では雰囲気が全く違う。私は海側で育ったので、山側の北鎌倉に憧れがある」と話し
「浄智寺の布袋さんの後ろに小さな観音様がいるのがかわいらしくてとても好きです」
とおすすめスポットを教えてくれた。
井上さんは「高校生の頃、大船高校の女の子と付き合っていた。北鎌倉駅で毎日彼女を待っていたのが懐かしい」と照れながら答えた。
初めて鎌倉を訪れる人に対し「鎌倉の雰囲気を感じてほしい」と鶴田さん。
井上さんは「歴史あるものはもちろん、そこで生まれる新しいものも楽しんでもらいたい」と呼びかけた。